年末調整で医療費控除はできるのか?

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年末調整

医療費控除とは、医療費や薬代などが1年間で10万円を超えた場合に所得控除を受けることができるものです。

給与所得者の方でも、1年間の医療費が多くかかってしまうことがあれば、医療費控除を受けることができます。

給与所得者が税金の控除を受ける場合には、ほとんどのケースでは年末調整時に会社へ申告することで事足りるのですが、医療費控除は年末調整では控除を受けることができないので注意が必要になります。

医療費控除を給与所得者が受ける方法や注意点などについて解説していきます。

1.年末調整では医療費控除できません

医療費控除は年末調整で控除することはできません。

年末調整で控除を受けることができるものは下記のように決まっているためです。

  • 社会保険料控除
  • 確定拠出年金等〈企業型または個人型〉に対する控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(夫)控除
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除
  • 住宅借入金等特別控制

このように、年末調整の制度として医療費控除を受けることはできません。

医療費控除は医療費の明細が必要になりますが、企業側が年末調整で膨大な枚数の領収書から明細をチェックするとしたら、企業にとっては大きな事務コストになります。

また、医療費控除は12月31日までに支払った医療費が控除対象となりますが、通常、年末調整はそれ以前に行うので、もしも年末調整を行なった後に医療費が発生した場合には年末調整で調整することができませんし、各種保険料控除のように見込額で調整することも不可能です。

このように医療費控除は年末調整の趣旨に合致していないことから、年末調整で医療費控除をすることはできないのです。

では、給与所得者が医療費を多く使った時にどのような方法で控除を受ければよいのでしょうか?

2.医療費控除は確定申告で行う

医療費控除は給与所得者であっても確定申告を行う必要があります。

なお確定申告で医療費控除を受ける場合には、以下の書類等を持参して3月15日までに税務署に行く必要があります。

  • 確定申告書A(税務署や国税庁ホームページで入手可能)
  • 医療費の明細書(税務署や国税庁ホームページで入手可能)
  • 源泉徴収票
  • 還付金を受け取るための銀行の通帳

書き方が分からな場合には、税務署の職員が教えてくれますし、国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」で画面の順番に沿って給与所得や医療費を入力していくだけで簡単に確定申告書を作成することもできます。

給与所得者の方はあまり確定申告に慣れていないかもしれませんが、手続きはそれほど面倒ではありませんので、医療費が多くかかった場合には確定申告を行うようにしてください。

なお、医療費の明細書は1年間に支払った医療費の領収書をもとに作成する必要がありますが、医療費の領収書は確定申告で提出する必要はありません。

しかし医療費の領収書には5年間の保存義務があるので、5年間は必ず自宅で保管しておくようにしましょう。

なお医療費の控除には2種類あり、どちらか一方しか選択することはできません。

  • 通常の医療費控除
  • セルフメディケーション税制

それぞれの概要について説明していきます。

通常の医療費控除

通常の医療費控除は、本人やその家族が1年間に一定以上の医療費を負担した場合に所得控除を受けることができるもので、医療費控除額は以下のように計算します。

医療費控除額(※)=(医療費の金額-保険金等で補てんされた金額)−10万円

つまり、1年間の医療費にかかる自己負担分が10万円を超えた場合に、その超えた金額については所得から控除を受けることができるというものです。

※総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額の5%

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セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制とは、健康の保持増進及び疾病の予防として、1年間に本人とその家族のために12,000円以上の対象医薬品を購入した場合に、その購入代金が課税所得から控除される税制です。

控除対象となる医薬品には、次のようなマークが貼られており、領収書にも何らかの印がついていますので、いくら控除を受けることができるのかを簡単に知ることができます。こちらは医療費控除を受けることができない人でも金額的に控除を受けることができる可能性があります。

セルフメディケーション

セルフメディケーション税制と通常の医療費控除を併用することはできませんので、どちらが得になるのかを計算して選択するようにしましょう。

なお、セルフメディケーション税制も確定申告によって控除を受ける必要があります。

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まとめ

医療費控除は年末調整で控除を受けることはできません。医療費控除を受けるためには確定申告をする必要があります。

通常の医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらが得になるのか計算し、必要書類を持参して税務署で確定申告を行うようにしましょう。

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