e-Taxの事前準備と必要なもの

★ お気に入りに追加
確定申告書作成コーナー

1.パソコンを利用して電子申告

税金の申告といえば税務署に行ってたくさんの書類に記入して提出する、というイメージを持たれている方が多いと思いますが、現在ではインターネットで申告できることをご存じでしょうか?

インターネットで申告することを「電子申告」といい、2004年(平成16年)6月1日から利用が開始されました。国税庁が運営している電子申告のシステムは「e-Tax」と呼ばれています。

【参照サイト】e-Tax

パソコンとインターネットさえあれば簡単に申告できて便利なはずなのですが、いまいち利用者が増えていないようです。その理由として、電子証明書の取得や利用開始届の提出といった事前準備が必要であり、その方法がよくわからない、あるいは面倒くさいといった方が多いことがあげられます。

e-Taxのサイトには利用の流れや事前準備の方法が書かれていますが、あまりにも情報量が多すぎて、いったい何をすればいいのかよくわからないというのが印象です。

一度やってしまえば意外と簡単ですので、e-Taxの利用方法を初心者にもわかるように、事前準備と必要なものを解説します。
ぜひ、税金の申告をe-Taxでチャレンジしてみましょう。

(1)e-Taxで可能な申告

個人の場合、e-TaxのWEB版を利用して次の申告が可能です。

  • 所得税の確定申告
    -確定申告書作成
    -青色申告決算書・収支内訳書作成
  • 消費税の確定申告
  • 贈与税の申告

(2)マイナンバー

平成29年の申告(平成28年分の申告)からは、マイナンバー(個人番号)の記入が必要になります。
所得税の確定申告では、一通りすべて入力した後、最後のほうでマイナンバーを入力します。
贈与税の申告では、申告書作成の途中でマイナンバー入力欄があります。

マイナンバー通知カードまたはマイナンバーカードを手元にご準備ください。

2.e-Taxの種類

実は、e-Taxにはいくつかの種類があります。どれも同じe-Taxなのですが、利用方法に違いがあります。
簡単に説明すると次のようになります。

確定申告書等作成コーナー WEB版、個人向け
e-Tax(WEB版) WEB版、主に法人向け
e-Taxソフト ソフト版、主に法人向け

通常、個人の方が確定申告で利用するのは、「1.確定申告書等作成コーナー」です。
「3.e-Taxソフト」を利用することもできますが、ソフトのインストールなど手順が複雑になりますので、「1.確定申告書等作成コーナー」で十分でしょう。
ここでは、「1.確定申告書等作成コーナー」の利用の手順を解説します。

確定申告書作成コーナー

確定申告書等作成コーナー

また、「1.確定申告書等作成コーナー」を利用方法として、このコーナーで申告書の送信までする方法と、申告書の送信をせずに印刷して別途郵送する方法があります。

一番楽なのは、申告書の送信までする方法ですが、以下の事前準備で説明する、電子証明書の取得と、カードリーダーの用意、および、利用者識別番号等の取得が必要になります。
申告書の送信はせずに印刷して別途郵送する方法であれば、パソコンとインターネット環境だけあればできます。

電子証明書の取得にはある程度時間がかかる場合もありますので、その際には、申告書を確定申告書等作成コーナーで作成し印刷して郵送すれば良いでしょう。

3.事前準備

e-Taxを利用するに当たり、事前に準備が必要なのは、ズバリ次の3つです。これらは全て並行して準備可能です。

  1. パソコンとインターネット環境の準備
  2. 電子証明書の取得と、カードリーダーの用意
  3. 開始届出書の提出と、利用者識別番号等の取得

(1)パソコンとインターネット環境の準備

パソコン

パソコンについては、OS:Windows7以上、ブラウザ:Internet Explorer 11が推奨となっています。CPU、メモリなどのスペックも、2010年くらいより後に購入されたパソコンであれば通常は全く問題ないでしょう。もちろん、それ以前のパソコンでも動作が非常に重くなければ大丈夫と思います。
MacOSでも利用できますが、本記事ではWindows利用を前提で説明します。

なお、最近流行りのChromeやSafariのブラウザでは動作しないようです。e-Taxを利用するときだけ、Internet Explorer 11を利用しましょう。

パソコンの詳細な推奨環境は下記をご覧ください。

【参照】e-Tax:システム利用のための環境等

インターネット

インターネット環境については、固定でもモバイルでも何でも大丈夫です。ただ、申告書を作成している間に、何度もインターネット接続が切れてしまうと、最悪、入力途中の内容が消えてしまう場合もありますので、できるだけ安定した環境で利用するのが良いでしょう。

(2)電子証明書の取得と、カードリーダーの用意

電子証明書

はじめてe-Taxを利用するにあたって一番わかりづらいのが、この「電子証明書」でしょう。電子証明書について、簡単にいうと、本人であることを証明するものです。

窓口で何かの手続きをするときは、運転免許証などの身分証明書を出して、あなたが本人であることを証明します。
インターネットで手続きをするときは、顔を合わせていませんので、あなたが本人であることを証明する別の方法が必要になります。それが電子証明書です。
電子証明書の情報はICカードの中に暗号化されて保存されています。

運転免許証が公安委員会という権威ある公的機関から発行されるように、電子証明書も、一定の認められた団体から発行され、いくつかの種類があります。個人が利用するにあたって一番便利なのが、市区町村が無料で発行してくれる「公的個人認証サービス」です。

【参照】公的個人認証サービス

マイナンバーカード

公的個人認証サービス」とは電子証明書を発行するサービスの名前で、実際には、住民基本台帳カードまたはマイナンバーカード(個人番号カード)として発行されます。
現在では、住民基本台帳カードは発行しておらず、マイナンバーカード(個人番号カード)のみ申請が可能です。ただ、以前から住民基本台帳カードを利用している方は、証明書の期限(3年間)が切れるまで利用できます。

運転免許証やパスポートに期限があるように、電子証明書にも期限があります。マイナンバーカードの場合は、発行日から5回目の誕生日までです。

マイナンバーカード(個人番号カード)については、お住まいの市区町村の窓口で発行の手続きを行います。詳しくは市区町村の窓口等にお問い合わせください。

【参照】総務省:マイナンバーカード

※自治体によっては、マイナンバーカードを発行する業務で立てこんでおり、申請してから発行までに数ヶ月かかることもあります。早めに申請するようにしましょう。

暗証番号の設定

マイナンバーカードは本人が直接、市区町村の窓口で受け取ります。その際に最低2種類、最高4種類の暗証番号を設定します。

署名用電子証明書 ・英数字6 文字以上 16 文字以下で設定できます。
・英字は大文字のAからZまで、数字は0から9までが利用でき、いずれも1つ以上が必要です。
利用者証明用電子証明書
住民基本台帳
券面事項入力補助用
・数字 4桁
・同じ暗証番号を設定することもできます。

下の3つは同じ暗証番号を設定することもできます。通常は同じで良いと思いますので、実質は、2種類の暗証番号を設定します。

上の「利用者証明用電子証明書」がe-Tax利用時に利用する暗証番号ですが、これがとても重要な暗証番号になります。
忘れてしまい、e-Tax利用時に暗証番号を何回か間違えてしまうと、電子証明書を利用出来なくなってしまいます
その場合、再度、窓口で暗証番号の再設定が必要になります

かといって、誰でもわかりそうな、あまりにも簡単な暗証番号を設定するのもセキュリティ上、好ましくありません。

カードを受け取りにいく前に2種類の暗証番号をよく考えていき、絶対に忘れないようにしましょう

カードリーダー

パソコンに接続してカード内の電子証明書の情報を読むために必要な機器です。
家電量販店やインターネットで数千円で販売されていますので、対応しているものを確認のうえ購入ください。
※公的個人認証サービスのサイトに、地域別に、対応しているカードリーダーの情報が掲載されています。

【参照サイト】公的個人認証サービス:ご利用できるICカードリーダライタ(住基カード)

人気どころは、次のあたりでしょうか。

SONY製「USB対応 非接触ICカードリーダー/ライター PaSoRi(パソリ)RC-380」
NTTコミュニケーションズ製「ACR39-NTTCom」
I-O DATA製「非接触ICカードリーダー・ライター USB2-NFC2」

※当社では接続を確認していませんので、必ず、メーカーに確認のうえご購入ください。

ちみなに、筆者が利用しているのは、かなり前に購入した日立製「手動カード挿抜式USB接続リーダーライター HX-520UJ.J」です。けっこう古いカードリーダーでも対応している可能性もあります。

パソコンへのインストール

電子証明書とカードリーダーが用意できたら、次に必要な作業が、パソコンへのインストールです。

  1. 電子証明書を利用するための利用者クライアントソフト
  2. カードリーダーのドライバー
1.電子証明書を利用するための利用者クライアントソフト

公的個人認証サービスによる電子証明書を利用するためには、専用の「利用者クライアントソフト」が必要です。下記よりソフトをダウンロードして、パソコンにインストールしてください。

インストールすると、プログラム一覧で「公的個人認証サービス -> JPKI利用者ソフト」として表示されます。

【参照サイト】利用者クライアントソフトのダウンロード

2.カードリーダーのドライバー

メーカーから提供されているドライバーを、パソコンにインストールしてください。購入した製品に付属しているCD-ROMか、または、インターネットからダウンロードしてインストールします。
OSバージョン毎にドライバーが違う場合がありますので、使っているパソコンのOSに合ったドライバーをインストールして下さい。

利用者クライアントソフト(JPKI利用者ソフト)とカードリーダーのドライバーの両方のインストールが終了したら、利用者クライアントソフトを起動して、「自分の証明書」という箇所から、電子証明書を読むことができるか確認してみてください。JPKI利用者ソフト

(3)開始届出書の提出と、利用者識別番号等の取得

個人情報を入力して利用者識別番号の取得

e-Taxを利用するためには、個人を識別するための16桁の「利用者識別番号」と呼ばれる番号が必要です。いわばIDのようなものです。1人につき1番号ですので、過去に取得したことがあれば、その番号を使います。

下記のページの「個人の方」を選び、氏名、生年月日、住所、職業、暗証番号、メールアドレスなどの必要事項を入力することで、利用者識別番号等をすぐに取得できます。

【参照サイト】e-Tax:e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー 【届出書の選択】

書類で提出することもできますが、その場合は、利用者識別番号の発行までに最短1週間程度かかります。

電子証明書の登録

次に、電子証明書の登録をします。画面に従って、電子証明書の登録を行ってください。

4.確定申告書等作成コーナーでの初期設定

さて、いよいよ、WEB版の確定申告書等作成コーナーにアクセスしてみましょう。
ブラウザはInternet Explorerを利用して、下記URLにアクセスしてください。
まずは、すべての税金での共通内容として、いくつかセットアップがあります。

【出典】確定申告書等作成コーナー

トップ画面

確定申告書作成コーナー

「申告書・決算書」作成開始ボタンを押します。

「税務署への提出方法の選択」画面

「e-Tax」を選びます。

「e-Taxを行う際の確認事項(準備編)」画面

はじめてのアクセスの場合、または新しい年になってはじめてのアクセスの場合、「事前準備セットアップの更新が必要です。」との警告が出ます。「事前準備セットアップファイルのダウンロードはこちら」ボタンを押します。

e-Taxセットアップファイルボタン

e-Taxセットアップ

事前準備セットアップファイル(jizen_setup.exe)をダウンロードし、実行します。次のようなインストール処理が自動的に行われます。

  • 信頼済みサイト及びポップアップブロックの許可サイトの登録
  • ルート証明書のインストール
  • 署名送信モジュールのインストール
  • JPKI利用者ソフトのインストール

「e-Taxを行う際の確認事項(登録編)」画面

すでに利用者識別番号を取得している場合を想定していますので、「利用者識別番号をお持ちの方」を選択します。

「利用者識別番号等の入力」画面

「利用者識別番号と暗証番号はお分かりですか。」のチェック欄で「はい」を選択し、「利用者識別番号」と「暗証番号」を入力し、「情報検索」ボタンを押します。

「受付システム検索完了」画面

OKであれば、「住所等検索が完了しました」と表示されます。「OK」ボタンを押します。

「情報検索結果の確認」画面

氏名・性別・生年月日・納税地区分・住所等が表示されますので確認し、「確認終了(次へ)」を押します。

「送信(提出)者選択」画面

「自分で申告書等を送信(提出)」を選択します。

「作成する申告書等の選択」画面

共通のセットアップは終了し、いよいよ申告書作成ができます。

5.電子証明書のトラブル解決方法

e-Taxでの申告書作成自体は画面に指示に従えばできると思いますが、一番良くトラブルが起こるのは、電子証明書での署名でエラーになるパターンだと思います。
筆者が体験したいくつかのトラブルを基に、エラーが起きた際の簡単なチェックポイントを紹介します。

  • 利用者クライアントソフトのバージョンが古くないか?
    → 新しいソフトをダウンロードしてインストールする。
  • カードリーダーのドライバーが壊れていないか?
    → ドライバーを再度インストールする。
  • 事前セットアップファイルをインストールしたか?
    → 事前セットアップファイルをダウンロードしてインストールする。
  • PCの動作が不安定か?
    → PCを再起動してする。
  • マイナンバーカードの暗証番号が間違っていないか?
    → 暗証番号がわからない場合は、市区町村の窓口に出向いて再設定する。
  • マイナンバーカードの暗証番号を過去何度か間違えていないか?
    → ロックされている可能性があるので、市区町村の窓口に出向いて再設定する。
  • マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れていないか?
    → 有効期限が切れていたら、市区町村の窓口に出向いて再交付してもらう。

だいたいこれらのポイントで解決できると思いますが、それでもうまくいかない場合は、「よくある質問」を参照したり、ヘルプデスクをご利用ください。

【参照サイト】確定申告書等作成コーナー:よくある質問
【参照サイト】e-Tax:e-Tax・作成コーナーヘルプデスク

この記事が役に立ったらシェアしてください!